私立高校の入試について

 

先日,私立高校の入試で,学力試験の前に大半の合格者が内定しており,しかも,内定者より79点も高い点数を取ったのに不合格とされた受験生がいたというニュースがありました。

 

 

学校の対応にはかなり批判が多いようですが,法律的にみるとどうなのでしょうか。

 

 

私立高校に関連する法律と言えば,教育基本法,私立学校法,学校教育法などがあります。

 

 

入試に関しては,学校教育法施行規則59条1項で,「高等学校の入学は,・・・調査書その他必要な書類,選抜のための学力検査の成績等を資料として行う入学者の選抜に基づいて,校長が,これを許可する。」(一部略)と決められています。

 

 

「調査書」というのはいわゆる内申書です。

 

 

つまり,内申書や学力試験やその他を総合して決めることになっています。

 

 

総合して決めるわけなので,内申書や面接を重視して学力試験を軽視しても法律的には違法とは言えないでしょう。

 

 

特に,私立学校の場合,教育基本法8条で,「自主性を尊重」すべきことになっています。

 

 

ですから,公平性が重視される公立学校よりも柔軟な入試が許されると考えられます。

 

 

ただし,今回の報道のケースでは,学力試験の前に合格が内定しており,内定者は全員学力試験を受けて全員合格しているとのことです。

 

 

このような報道内容からしますと,学力試験の結果にかかわらず合格させると決めていたと受け取られても仕方ありません。

 

 

その意味では,学力試験と内申書と面接によって総合的に決めるかのような募集案内には問題があったと言えるでしょう。