マリカー判決

任天堂が,ゲーム「マリオカート」のキャラクターの衣装を着てカートを道路で走らせるのは著作権の侵害だとして,カートレンタル会社を訴えた訴訟の判決がありました。

 

 

裁判で任天堂は,著作権法違反や不正競争防止法違反を主張していましたが,今回の判決では,裁判所は不正競争防止法違反を認めたようです。



不正競争防止法が禁止する不正競争行為とは,典型的には有名なブランドをまねて偽物を販売するような行為です。

そのようなことをされると,偽物を売る企業は儲かりますが,一方で,本物の企業は,売り上げが減少することになるし,粗悪品が出回ればブランドの価値が低下しますので,損害が発生します。



そのため,不正競争防止法は,商品表示として消費者に広く認識されているものと同一または類似の商品表示を使用して,他人の商品と混同させるような行為を禁止しています。



今回の裁判の争点の一つに,「マリカー」が「マリオカート」の略称として周知されているか,という点がありました。



裁判所は,「マリカー」は「マリオカート」の略称として広く知られていることを認め,「マリカー」という名称の使用を禁じました。



コスチュームについても,完全にキャラクターと同一でなくても,任天堂のキャラクターと誤認されるものであるとして,写真や動画の使用,従業員にコスチュームを着用させること,店舗内にマリオ人形を設置すること,営業活動において貸与すること等について禁止を命じました。

 

 

また,裁判所は,カートレンタル会社に対して損害賠償も命じました。